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コトノハの調べ

ここはPBW、学園伝綺RPG【SilverRain(シルバーレイン)】世界に居る桜月・雛乃のブログサイトです。 主に活用される【綴り語り】は 、雛乃が出逢った人 場所がそのまま反映されます。 特にその事に関しての告知をしませんが、もし、その内容に不快を感じるならすぐ削除させて頂きます。 ですが出来るなら、どうか寛大なご理解と共にお許し頂けるととても嬉しく思います。

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【第四十三夜】 《依頼》たった一つの願い


<オープニング>

山波信輝がその女性と出会ったのは、人通りも途絶えた夜の交差点だった。
女はしゃがんで、電柱の下に花束を供え、じっと眺めていた。
偶然などではなかった。
なぜなら、信輝も手には花束を持っており、
その女性がしゃがみ込む所に花を供えようとしていたからだ。
「……もしかして、矢代優美さんですか」
信輝を見上げるその女性は、怪訝な表情を浮かべるが、静かに頷いた。
やはりそうだったのかと、信輝が納得する。
この場所で数日前、事故が発生した。
不幸なことに自動車が歩道に跳び込み、
カップルのうちの男性が死亡したのがこの場所だった。
そして、その男性とは信輝の長く会っていなかった親友であり、
カップルのうちの女性が矢代優美だったのだ。
「……本当は今日が結婚式だったんですよね」
「ええ、もしかして、出席のために?」
今度は信輝が頷く。
そう、長く離れていた親友が結婚すると聞き、
信輝は無理をして今日という日に休暇をとっていたのだ。
その祝うべき日がまさか弔いの日になるなどとは……。
初めて会った優美を見た信輝は、その儚げな美しさに目を奪われる。
「そう、あなたが山波さんでしたの」
優美は、夫となる者から詳しく信輝の話を聞いており、
初めて会ったようには感じられないという。
そして微笑むその姿は寄る辺を失った悲しみに満ちていた。
一人では生きていられない。
(「この人を、僕が守っていくのは、親友への裏切りだろうか?」)
そして、友への罪悪感を背負った信輝と、
喪失感を胸に抱えた優美の悲しい交流が始まった。
 
あかね色に染まり始めた運動場を
藤崎・志穂(高校生運命予報士・bn0020)は
じっと教室の窓から眺めていた。
その背後には、すでに集まった能力者達が志穂の背をじっと眺めていた。
志穂の背には悲しみが溢れ、容易に声をかける事など出来なかった。
「……悲しい話を聞いてください。不幸な男女の話です」
志穂は顔を外に向けたままだった。
 
一体のリビングデッドが、ある町に現れたという。
皆に表情を見せないまま、志穂が語り始めた。
「ある町で事故が起こり、カップルのうち男性は死亡。
女性は助かりました。いえ、言葉が正確ではないですね。
女性は事故の時に頭を打って死亡していますが、
リビングデッドになってしまったために、生きているように見えます」
女の名前は矢代優美という。
優美は死んだ自覚は無いものの、
違和感を感じつつも夫と暮らすはずだった新居で一人で暮らしているという。
「その優美さんが出会ったのが、
夫となるべき人の親友である山波信輝さんです。
二人は週末の土曜日の夕方から、
優美さんの暮らす新居で毎週会っています」
信輝は罪悪感と共に守りたいという思いから、
優美は失った寄る辺を信輝に求め、喪失感を埋めているという。
「……きっかけは、出会ったその日に、
怪我をした信輝さんの血を舐めたことから、
優美さんは彼の血肉が自分に必要だと知ってしまった。
信輝さんは疑問を抱きながらも優美さんに
求められるままに血を与えていますが、
まもなく、優美さんは自制を失い、彼を殺すという不幸にたどり着くでしょう。
その前に何としても優美さんを倒してください」
窓の外に顔を向けたまま、志穂の肩がうなだれる。
言葉を続けようとしない志穂。その背が震えていた。
 
重い口を志穂が開き、
「新居の位置は分かってはいませんが、
信輝さんが使う駅は判明しています。
住宅街の一角に新居はあるようですが、信輝さんを尾行するなどして、
場所を突き止める必要があります」
信輝が駅に現れるのは土曜の夕方。
そこから優美への家へのルートは判明していない。
そして、その新居は人の住む住宅街の一角にあるという。
「信輝さんの容姿の特徴は分かっていますが、
本人であるという確認が必要です。似た人を追いかけて、
優美さんに出会えなかったとなれば大変なことになりますから」
恐らく、やり直しはきかないだろう。
この週末を逃せば、優美は信輝を殺すかもしれなかった。
「優美さんの家には、猫のリビングデッドが三匹住み着いています。
戦いとなれば、このリビングデッドの猫も戦いに加わるでしょう。
そして、優美さんは、皆さんの対応によっては新居の中を逃げ回ります。
夫となる筈だった男性の経済力から考えて、
結構大きな家だと思われますので注意してください」
志穂が横顔を僅かに見せて、視線を送る先には一枚のメモがあった。
それを取り、広げた能力者の一人は、
志穂の語った情報が全て書かれていることを確認した。
 
再び外へと顔を向けた志穂が、
「優美さんは動きが能力者以上に素早く、
新居にあった包丁などを持っています。
逃げる優美さんを補足して倒すのは苦労するでしょう」
ただ、優美も、猫も特殊な攻撃はしてこないという。
「生者と死者が一緒に居続けることは、いつかは破綻し不幸を生みます。
悲しいことですが、優美さんをこのままにしておくわけにはいきません。
必ず倒してあげてください」
それで全てだと、志穂が背中で皆に告げる。
教室に一人残される志穂。
「なぜ、私はこんな悲しい話をしなければならないの?
そして、悲しい風景を……」
この世界に悲劇などなければ良いのに。
悲しみなど全て消え去って欲しい。
涙を一滴落とした志穂。
しかし、悲しみに手を差し伸べるのが、
自分達こそが悲しみの救い手なのだと志穂は
自らに言い聞かせるのだった。

<プレイング>

http://t-walker.jp/sr/adventure/rp.cgi?sceid=3580


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 ※これはPBW、
  学園伝綺RPG【SilverRain(シルバーレイン)】
  のゲーム内の桜月・雛乃が参加した
  河井晋助マスターさまの作品です 

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プロフィール

HN:
桜月・雛乃
年齢:
20
性別:
女性
誕生日:
1997/02/02
職業:
フリッカースペード
趣味:
詩(歌)を考える事
自己紹介:
【カテゴリー説明】

☆綴り語り
 ⇒出逢い・経験した物語を綴る場所

☆詩
 ⇒自分のお気に入りの詩紹介・もしくは想う事を詩に書き記した場所

☆イラスト絵日記
 ⇒完成したイラストを雛乃が日記で紹介する場所

☆雛乃日記
 ⇒雛乃の呟き場所

☆影さん事情
 ⇒PLの呟き場所

【呼び方】

☆下級生・同級生
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  《男の子》名前+くん

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