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コトノハの調べ

ここはPBW、学園伝綺RPG【SilverRain(シルバーレイン)】世界に居る桜月・雛乃のブログサイトです。 主に活用される【綴り語り】は 、雛乃が出逢った人 場所がそのまま反映されます。 特にその事に関しての告知をしませんが、もし、その内容に不快を感じるならすぐ削除させて頂きます。 ですが出来るなら、どうか寛大なご理解と共にお許し頂けるととても嬉しく思います。

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【第三夜】存在・突然の別れ


色んなお話をする
好きな物・好きな場所・好きな季節・好きな・・・

お話するのは楽しい。
それだけで自分がここに居て、今生きてる事を実感できる

誰かが自分がここに居るって事を認めてくれている

このシアワセがずっと続いて欲しい

時間がある時はあの小高い丘の桜の樹の下に行く

以前は
そこを見るだけで哀しくて、淋しくて涙が出てきたけど
今はこの目の前に居る大スキなお兄ちゃんと
大切な時間を共有出来る癒しの場所になった

ひなが詩を歌うと
優しい笑顔で聴いてくれるお兄ちゃんが居る
その笑顔が大スキでずっとそうして欲しくて詩を歌う
だからひなは詩がスキ

そして今日はサプライズな訪問者にも出逢えた

兄が指をさしながら、樹の枝にとまっている
小鳥たちを見て微笑む
雛乃も微笑みながら詩を続ける
小鳥たちは雛乃の詩に合わせさえずっているように思えた

家路に向かう帰り道
「今日は凄く楽しかったね。小鳥さん達もきっと雛乃の詩を聴きに来たんだよ」
手を繋いで歩く。ただそれだけなのに凄く嬉しくて
「うん♪また小鳥さん来てくれるかな?・・また一緒に歌えると良いなぁ・・」
そんな雛乃の返事に微笑んで
「そうだね。きっとまた来てくれるよ」
夕焼けの紅く染まる空に
2人の影は仲良く並んで歩いてた


自宅近くの人だかりに胸騒ぎをする兄
「何だろう・・何があったのかな」
少し急ぎ足で自宅に向かうと、こちらに気づいた一人が

「何処に行ってたんだいっ!?大変なんだよ!
お父さんとお母さんがっ!!」

それは・・曲がり角でちょうど死角になってた交通事故
両親が渡ろうとした時、突然ダンプカーが突進してきたらしい
父は母を庇い即死
母はそれに追うように息をひきとったらしい

今朝、出掛けて行った両親
「今日は早く帰って来られそうよ?そしたら一緒に夕飯作りましょうね」と母
「それじゃ父さんも早く帰れるように仕事頑張るぞ」と父
いつも通りの変わらない暖かな時間・・・・
それが一瞬でなくなってしまうなんて
・・・・そんな事あるのだろうか

「お兄ちゃん・・?・・お父さんとお母さんど・・したの・・?・・」
状況を把握仕切れてない雛乃は
兄の裾をくいくいひっぱりながら不安そうに見上げてた

兄は何も言わず雛乃を強く抱きしめ・・震えてた
「お兄ちゃん・・痛いよ・・ど・・したの・・?・・
どこか痛いの?・・泣いてるの・・?・・」
いつもと違う兄の様子にきゅっとしながら問いかけをした



雛乃の知らない人達が両親のお通夜・告別式を執り行う
兄はあれ以来口数が少なくなった
そんな兄の態度に戸惑いながらもずっと傍に居た
「お兄ちゃん・・何でみんな泣いてるの・・?
お父さんとお母さんは何処に行ったの?・・」
兄はただ雛乃を抱きしめ頭を撫でるだけ
そんな兄が苦しそうで、雛乃は問いかけるのを辞めた


葬式から何日か過ぎたある日
親戚達が集まり、雛乃達のこれからを話し合っていた

「私達はもともとこの家とあまり付き合っていた訳じゃないし」
「私達だって自分たちの生活で手一杯だ。
他の子を預かるなんて無理だ」
「それに・・・・私達と全く血の繋がってない子まで居るんでしょう?」と忌々しげに雛乃を見ている大人も居た

大人達は言いたい放題の擦りあいだった
自分達の事しか考えてない
他人なんてどうでも良い
むしろこの厄介な話を早く終らせたい
そんな雰囲気だ

「・・・・お兄ちゃん・・」
不安げに雛乃が自分の手を握る

自分を見つめるこの少女を護れるのは自分しかない
自分がしっかりしなくてはいけないのだ

全ては自分達の為に。
何より大切なこの少女の為に。

意を決し、兄が話に参加する
「僕達は2人で暮らします。誰にもご迷惑はかけません」

「何を馬鹿な事を言ってるんだ!
子供2人だけで暮らせる訳無いだろう」
自分達を擦りあいしてた大人達は口々にうろたえる

「僕たちに両親は、住む家を残してくれました
当面は暮らせる遺産もあります
僕は、大学を辞め就職しようと思います
だから大丈夫です」
雛乃を護るように抱きしめたその兄の眼差しは
何かがふっきれ、決意に満ちた瞳をしてた

大人達は何も言えず、ただ黙り込むしかなかった


大人達が帰り、静寂の夜を迎える2人は
「雛乃これからは2人で頑張ろうね。
お父さんとお母さんにはもう逢えなくなっちゃけど
泣いたらいけないよ?ほら見てごらん・・
このたくさんの星の何処かで
僕達を見守ってくれてるんだからね?」

窓を開け、星空を見てる
「このたくさんのお星さまの
どれかがお父さんとお母さんなの?」

「そうだよ。だからいつでもこの星空に声を掛けてごらん
きっと願いは届くから」
微笑む兄を見て、いつもの兄だと思う

「うん♪お父さん、お母さん
ひなね・・お兄ちゃんと頑張るからね」

大丈夫・・
哀しいけど・・泣きそうになるけど
・・でも泣かない
だってひなには大スキなお兄ちゃんが
傍に居るから。。。

「お兄ちゃん・・ずっとひなの傍に居てね・・約束・・」

「ずっと傍に居るよ」

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プロフィール

HN:
桜月・雛乃
年齢:
27
性別:
女性
誕生日:
1997/02/02
職業:
フリッカースペード
趣味:
詩(歌)を考える事
自己紹介:
【カテゴリー説明】

☆綴り語り
 ⇒出逢い・経験した物語を綴る場所

☆詩
 ⇒自分のお気に入りの詩紹介・もしくは想う事を詩に書き記した場所

☆イラスト絵日記
 ⇒完成したイラストを雛乃が日記で紹介する場所

☆雛乃日記
 ⇒雛乃の呟き場所

☆影さん事情
 ⇒PLの呟き場所

【呼び方】

☆下級生・同級生
⇒《女の子》名前+ちゃん
  《男の子》名前+くん

☆上級生
⇒《女の子》名前+お姉ちゃん
 《男の子》名前+お兄ちゃん


※メッセ登録の際は、
 お手紙にてご連絡下さい
【hina-usa@hotmail.co.jp】

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